アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダは、サンスクリット語のAyus(Life)とVeda(Knowledge,Science)を組み合わせた言葉で「生命の科学」を意味するインド発祥の世界最古の伝承医学です。
WHO(世界保健機構)が正式に奨励している代替医療でもあります。
生命とは肉体、感覚、運動器官、精神が一体となったものである。アーユルヴェーダは生命に何が有益で何が不益であるか、幸福な人生と不幸な人生とは何か、何が生命にとって良い結果と悪い結果をもたらすか、何が長命を招き何が短命を招くかを述解する学問である
と、内科医であるチャラカは述べています。

アーユルヴェーダの目的

  1. 病気の予防と治療
  2. 理想的な体質の構築
  3. 身体組織の質の向上
  4. 精神の質の向上
アーユルヴェーダは生命に関する総合的な学問であり、単に医学であるだけでなく、正常なものであれ、病的なものであれ、あらゆる意味での生命現象を取り扱う学問です。

西洋医学では、病気の原因は体外の病原体による感染や遺伝子異常などによる生体内の酵素系や代謝系の異常であり、自分に関係ない外的要因に病因を求める傾向にあります。

 

 

西洋医学・中医学・アーユルヴェーダにおける「病気」の定義

アーユルヴェーダでは、病気の発症過程を六段階に分けています。病気になる前の体を診断し、異常の原因を取り除くことを重視する予防医学だからです。

現代人で健康な状態にいる人は少なく、ほとんどは未病の状態にいるという統計があります。症状が悪化して初めて病院へ行く人がほとんどでしょう。

西洋医学 健康 病気
中国医学 健康 未病 病気
アーユルヴェーダ 健康 蓄積 悪化 流出 定着 発症 慢性化

 

アーユルヴェーダでは、本人の智慧の過ちの結果、食事や行動様式などの日常生活での不摂が原因となり心身に溜まったアーマ(毒素)が病気を発症させると考えます。

患者自身が病気の元を作り出しているという考え方です。
ですから、生活習慣、行動、環境、食事を改善しないことには病状も改善しないと考えます。

 

アーユルヴェーダを生活に取り入れることで期待できる効果

  • 生活の質の向上に伴う健康維持
  • 体質に合う食事により消化力が向上し、巨食、過食の解消
  • アーユルヴェーダ的生活習慣による免疫力の向上
  • 肉体の健康が精神面にプラスの影響をあたえ、幸福度アップ

アーユルヴェーダは、健康のための養生法がベースになっており誰かに何かをやってもらうという人任せ的なものではなく、自分自身が日々実践していく生き方そのものという考え方を尊重しています。

アーユルヴェーダ的生活習慣を身につけることで、肉体面だけでなく精神面でのバランスも調和するため、心穏やかに日々を過ごすことができるようになります。

アーユルヴェーダは、継続することにより自己の内面に働きかけ、幸福感の増すメソッドでもあります。

→→→健康のための毎日の過ごし方はコチラ

 

 

五大元素(Pancha Maha Bhoota)

アーユルヴェーダを語る上で欠かせないものに五大元素(Pancha Maha Bhoota)と3つの基本的な性質(Tri dosha)があります。

 

空(Akasha/Space)

空間を形成する要素

 

風(Vayu/Air)

動きの主体となる要素

 

火(Agni/Fire)

熱の主体となる要素

 

水(Jala/Water)

湿潤の主体となる要素

 

土(Bhoomi/Earth)

個体を形成する要素

 

世界のあらゆるもの(生物、無生物)は、この5つの要素から出来ていると言われています。

この、五大元素が結びついて、以下の3つの性質を作り出しています。

 

 

3つの基本的な性質(Tri dosha)

誰もがこの3つの性質を持ち合わせていますが、どの性質を一番多く持っているかで基本性質であるドーシャが決定します。ドーシャは、季節や時間帯、年齢、環境によっても変化します。

Vata/ヴァータ 風のエネルギー 冷、軽、動、速 不規則で不安定

直感やひらめきに優れ想像力豊か

Pitta/ピッタ 水と火のエネルギー 熱、鋭、軽、液 エネルギッシュで情熱的

リーダーシップ、完璧主義

Kapha/カパ 水のエネルギー 冷、重、油、遅 落ち着いて安定している

愛情深く我慢強い

 

 

1.ヴァータ(Vata)

空(Akasha/space)と風(Vayu/Air)のエネルギー

が結びつき、運動の作用を持つのがヴァータです。

ヴァータの人は、風のようにフットワークが軽く、想像力が豊かで順応性があり理解が速いのが特徴。

身体的には、背がすごく高いかすごく低い(アンバランス)、乾燥しやすい、太りにくい等の特徴があります。

→→→ バランスを崩すと…

不安、不眠、便秘、腰痛、冷え、肩こり、頭痛、神経系疾患、循環器疾患

 

→→→ ヴァータをバランスさせるには
  1. 心身の休息を十分にとり、生活リズムを整える
  2. 入浴は湯船に浸かり、体を暖かく保つ
  3. 雨や雪で体を冷やさない、風に直接あたらない
  4. 温かく、油をある程度含んだ消化のよい食事をとる
  5. 不安や心配をせず、楽しいく過ごす
  6. オイルマッサージやアロマでリラックスする

 

2.ピッタ(Pitta)

火(Agni/Fire)と水(Jala/Water)のエネルギー

が結びつき、さまざまな物の形を変える変換の作用を持つのがピッタです。

ピッタの人の人は、頭の回転が速く機転がきき、計画的で、話し方も理路整然としています。

新しいことに取り組むのが得意で、負けず嫌い、すぐにカッとなったりイライラしたりしやすい傾向があります。

 

→→→ バランスを崩すと…

イライラ、批判的、攻撃的、嫉妬、胸やけ、肝疾患、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、皮膚病

 

→→→ ピッタをバランスさせるには
  1. 休息を十分にとり、日中の暑い時間帯の活動は控える
  2. 消化のよい水分の多くて甘い液状の、メロンやスイカなどをとる
  3. 辛くて刺激のある食物は避ける
  4. 闘争的な事柄(テレビ、討論)を避け、穏やかさに触れる
  5. 満月を眺めたり、野山の自然に触れる
  6. 水泳などで熱した体を冷ます

 

3.カパ(Kapha)

水(Jala/Water)と土(Bhoomi/Earth)のエネルギーが

結びつき、骨格を形成するなどの構造の作用を持つのがカパです。

カパの人は生まれつきがっちりした体格で、行動がゆっくりと落ち着いています。持久力があり我慢強いのが特徴です。

シャイで人見知り、頑固で保守的なの傾向もあります。

→→→ バランスを崩すと…

怠惰、眠気、鈍感、頑固、むくみ、肥満、痰、鼻水、アレルギー性疾患、呼吸器疾患、糖尿病

 

→→→ カパをバランスさせるには
  1. 夕食を軽くして早めに就寝する
  2. 朝食も抜くか軽めにし、熱めのシャワーか入浴する
  3. 洗髪後はよく乾燥させる
  4. 体を冷やさないようにする
  5. 朝日を眺めながらの散歩や、運動をする習慣を身につける
  6. 食事はスパイシーで温かいもの、りんごや加熱していない蜂蜜をとる
  7. 冷たいものや油っぽい食物は避け、特に食べ過ぎは戒める
  8. 寝過ぎや昼寝をしないで日中は活動的に
  9. 朝は刺激性のアロマを部屋に満たすなど香りを楽しむ

 

 

自分のドーシャを知っているメリット

これらのドーシャのバランスが整っていることで、私たちの心身の健康な状態は保たれています。
体質チェックで、自分のベストバランスとバランスが崩れた時の対処法を知っていると、セルフケアで今なにをすべきかが体感としてわかるようになります。病気になる前の未病の段階で不調に気づきやすくなり、自分自身で心身の不調を整えられる予防医学を実践できるメリットがあります。
また、自分と同じタイプ、違うタイプで感じ方や考え方、行動の仕方にそれぞれ特徴があることが理解できたら、人づきあいを円滑にするのに役立つ場合があります。

 

体質チェックに関するお問い合わせはこちらからお願いします。

 

 

アーユルヴェーダ パンチャカルマ体験談

私がアーユルヴェーダを日々実践することになったきっかけは、インドの病院に入院して治療を受けたら、それまで何をやってもつらかった症状が劇的に改善したことです。

 

長年悩んでいた偏頭痛が完治(2012年)

某大手企業の会社員としてITを使った業務改革の分野で長く仕事をしてきましたが、がんばりすぎたせいなのか毎日毎日偏頭痛の症状が発生し薬を飲んでも改善されず電車に乗るのもつらくなって休職せざるを得ない状況まで悪化しました。

昔から興味のあったインド5000年の伝承医学ならなんとかなるかも!?と、頭痛がつらいながらも突然ひらめき、何かに導かれるようにしてインド行きの航空券を買って単身インドへ。

入院していた部屋のドアの前に、係の人が毎朝ハーブウォーターを置いてくれるのを飲みます。

アーユルヴェーダ病院の食堂で提供される朝食の一例。蒸しパンみたいなイドゥリが好きだった。

昼食の一例。1日のうち最も消化力の高いお昼にボリュームのある食事を摂ります。

夕食の一例。消化力が落ちる夜、あとは寝るだけなのでこの量。

 

南インド、ケララのアーユルヴェーダ病院に約1か月の滞在中、日々アビアンガ、シロダーラ、ナスヤのトリートメントを受けて心身ともにリラックスしたのか、偏頭痛の症状が改善。インド滞在中は明るく元気に過ごし、帰国してからも天候の変化による頭痛はありますが、以前のようなひどい偏頭痛の症状は一度も出ていません。

インド占星術のホロスコープを見ても、頭痛とは今後も付き合っていく特徴として表れているので、症状が出たときの過ごし方を気をつけるなどしながら以前より快適な日々を送れるようになりました。

 

交通事故によるむちうちの後遺症が完治(2019年)

2019年1月末、バイクに乗車中の信号待ちで軽自動車に後ろからコツンと追突されました。幸い転倒もせず大怪我はなかったのですが、転倒しないよう踏ん張ったために体にヘンな力が加わったようで、首から肩にかけての筋肉の損傷いわゆるムチウチ状態になってしまいました。

半年ほど整形外科に通って治療を受けてある程度は回復したものの、痛みで以前のように重い望遠レンズを構えることができず、天候によっては肩や首のあたりに重苦しい鈍い痛みが発生し違和感がなかなか取れずに気分も沈む…という状態が続いていました。

このまま一生この後遺症と付き合っていくの?とぼんやり思っていたときに、もしかしたらアーユルヴェーダなら改善するかも?と、今度は南インドでも病院ではなくリゾートに近い滞在型の治療プログラム(ドクターによる診察とセラピストによるトリートメント)を受けてみようと思いました。

1週間滞在したコテージは2人部屋を1人使用

新婚さん向け豪華ルームもあり

ドクターと記念写真

セラピストさんと記念写真

入院ではないので、ヒンドゥ教の寺院参拝や街へ出てサリーを買ったり観光したり楽しみながら、アーユルヴェーダのトリートメントを1週間ほど受けたらムチウチの後遺症が劇的に改善!重苦しい鈍い痛みがスッキリ取れたことに感動しました。

今後は年に一度の健康診断的な感じで、アーユルヴェーダのパンチャカルマを受けて健康維持ができたらいいなと思います。

クルーズ船から見た夕景

サリーの試着

 

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