ディナチャリヤ(DYNA=日中、CHARYA=管理)とは何か
アーユルヴェーダは、インドで古くから伝わる自然療法の一つで、その目的は心身のバランスを保ち、健康を促進することです。その中でも「ディナチャリヤ」(Dinacharya)は、日常生活に取り入れるべき習慣を示したものです。
ディナチャリヤは、サンスクリット語で「日々の行動」を意味し、アーユルヴェーダにおいては、健康を維持するための日常のルーティンを指します。この概念は、朝起きてから夜眠るまでのすべての行動が含まれます。アーユルヴェーダでは、自然のリズムに従った生活を送ることが、身体と心の健康にとって非常に重要だとされています。
みなさんが、すでに習慣としていることも含まれていると思いますが、すべて取り組むのは難しいとしても出来そうなこと、続けられそうなことを一つからでも始めてみてはいかがでしょうか?
ディナチャリヤの基本的なルーティン
ディナチャリヤのルーティンは、個々の体質(ドーシャ)や生活環境に応じてカスタマイズされるべきですが、ここでは一般的な日課を紹介します。
早起き(BRAHMA MUHOORTA-日の出の96分前)
夏は6時ごろ、冬は7時ごろまでには起床します。
アーユルヴェーダでは、日の出前の時間帯、通称「ブラフマ・ムフルタ」(Brahma Muhurta)が理想的な起床時間とされています。この時間帯は静寂で、心身がリフレッシュされやすいと考えられています。
体調の把握
目覚めた時の気分はどうか?前の日の食事は消化されているか?今日一日どのように過ごすか?を布団の中で確認します。
トイレ
トイレのあと、排泄物の状態も確認します。
歯磨き・舌苔の除去
舌の上にはアーマと呼ばれる未消化物が載っています。それは毒素なので取り除く必要があります。歯ブラシでゴシゴシするのではなく、専用の器具を使いましょう。
起床後すぐに舌を清掃することで、夜間に体内で発生した毒素を取り除きます。これにより、口腔内の健康が保たれるとともに、消化機能が促進されます。
自然素材を使用した歯磨き粉での歯磨きが推奨されます。ニーム(Neem)やトゥルシー(Tulsi)などのハーブを含んだ歯磨き粉が好まれます。
洗顔(Mukha Prakshalana)
冷水で顔を洗い、目を清潔に保つことも重要です。
アンジャナ(目のケア)
特に、バターやギーを用いた目のケアが、目の健康を保つために推奨されています。古代エジプト人もやっていたマスカラみたいに薬を目の周りに塗ります。
ナスヤ(鼻のケア)
鼻の穴にオイルを2滴ずつ入れて浄化をします。アンチエイジングに効果があるといわれています。
ガンドゥーシャ(うがい)
ごま油でのうがいは歯と頬の筋肉を強くします。
口内の毒素を排出し、歯や歯茎を強化する効果があります。セサミオイルやココナッツオイルが一般的に使用されます。
白湯を飲む
やかんに水を入れ、火にかけて、沸騰後にやかんの蓋をあけてしばらく沸かし続けて作ります。少し冷めてから飲みます。
ヨーガ
呼吸法とともに体を動かします。呼吸と体に働きかけることで消化力を上げます。
アビヤンガ
オイルマッサージを行います。耳だけ、頭だけ、足だけでも構いません。
毎朝、体にオイルを塗って行う全身マッサージは、循環を促進し、筋肉をリラックスさせ、心身のストレスを軽減します。セサミオイルが一般的に使用されますが、個々の体質に応じて他のオイルも選択できます。
入浴・シャワー
体を浄化します。
温水を使った入浴は、体を浄化し、血液循環を改善する効果があります。入浴後は、体がリフレッシュし、心が落ち着く感覚が得られるでしょう。
身だしなみを整える
清潔で、着心地のよい衣服を身に着けます。人体に害のない化粧品を使います。
瞑想と祈り
心を落ち着け、一日の始まりに集中力を高めるため、朝の瞑想や祈りが推奨されます。これにより、精神的なバランスを整え、ポジティブなエネルギーを得ることができます。
食事
アグニ(消化力)の状態に合わせて食事をとります。
甘味、酸味、塩味、辛み、苦み、渋みの6味を摂るようにします。
アーユルヴェーダでは、朝食は一日のエネルギー源として非常に重要とされています。消化に優しい食材を使った、栄養バランスの取れた朝食が理想です。特に温かい食事が推奨されます。
仕事
職業は個々の才能合っていなければならず、満足するものでなければなりません。
違法の活動に関わってはいけません。
ディナチャリヤの効果
1. 心身のバランス維持
ディナチャリヤは、体内のドーシャのバランスを整え、心身の調和を保つために設計されています。毎日のルーティンを守ることで、ストレスの軽減や免疫力の向上が期待できます。
2. 消化機能の向上
朝の舌清掃やオイルプルなどの習慣は、消化器官を活性化し、消化不良や便秘の予防に役立ちます。さらに、適切な朝食を摂ることで、一日を通じてエネルギーレベルが安定します。
3. 精神的な安定
瞑想や祈りの時間を毎日持つことで、精神的な安定を保つことができます。これにより、日々の生活におけるストレスや不安が軽減され、ポジティブなマインドセットが維持されます。
4. 免疫力の強化
規則正しい生活習慣は、身体の免疫力を自然に高める効果があります。特に、オイルマッサージや温浴などの習慣が、体内の毒素を排出し、免疫システムを強化します。
ディナチャリヤの実践方法
自分に合ったルーティンを見つける
アーユルヴェーダのディナチャリヤは、個々の体質やライフスタイルに応じて調整することが大切です。自分のドーシャのタイプを理解し、それに合ったルーティンを作成しましょう。
小さな習慣から始める
すべてのルーティンを一度に取り入れるのは難しいかもしれません。まずは、舌みがきや油うがいなど、取り入れやすい習慣から始め、徐々に他の習慣を追加していくのがおすすめです。
継続することの重要性
ディナチャリヤは、毎日の習慣として継続することが最も重要です。一貫して実践することで、その効果を最大限に引き出すことができます。
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規則正しい生活習慣がポイント
昼食は消化力を考慮しながら1日のうちで一番ボリュームのあるものを食べます。
夕食は野菜中心で少なめに。寝るまでに消化されるメニューにします。
入浴後22時までには就寝します。早寝することが早起きの秘訣です。
アーユルヴェーダのディナチャリヤは、現代社会においても非常に有用な健康法です。自然のリズムに合わせた生活を送ることで、心身のバランスを保ち、健康な毎日を過ごすことができます。ぜひ、この記事を参考にして、ディナチャリヤを日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。