ヨーガとは
Yogaは、サンスクリット語の「yuj」が語源であり結びつけるという意味があります。
インドのヨーガは、紀元前2千年頃から伝承されて来ているヴェーダ聖典とその聖典の最後の部分に書き加えられたウパニシャッド聖典群に由来しています。
ウパニシャッド聖典に記載されている全人的な健康観は、世界保健機構(WHO)の健康の定義に通じるところがあります。
健康とはどういう状態をいうのか?
普段私たちが健康という場合、風邪やケガなどがない状態をイメージすると思いますが、WHOでは次のように定義されています。
健康とは
- 肉体に病気や障害がない状態を言うのでなく
- 肉体的にも
- 精神的にも
- 社会的にも
- スピリチュアル(宗教的)にも
完全に健やかでダイナミックな状態をいう。
(Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity. )
世界保健機構(WHO)の健康の定義より
ヨーガ療法とは何か?
誰でも視聴可能なYouTubeに公開されているレッスン動画は下記リンクからご覧ください。
人間五蔵説による見立て
ヨーガ療法士は実習者との対話などを通して、心身の状態を把握し心身に負担をかけずに実習できる最適なレッスンを組み立てます。
- 食物鞘:食物で維持されている肉体
- 生気鞘:呼吸、エネルギー
- 意思鞘:感覚、感情
- 理智鞘:認知、判断、全てのストレスの源
- 歓喜鞘:潜在意識(記憶の倉庫)
これらの鞘の傷つきが病気発生の原因となります。
人間馬車説による考察
カタ・ウパニシャッドに以下のような記載があります。
「真の自分とは、馬車の中に座っている主人である。人間の身体とは車両である。馬車の御者とは理智(外からの情報を判断する心理器官)である。車両と馬た ちとをつなぐ手綱が意思(外からの情報を理智に伝える心理器官)である。(眼や耳や皮膚や手足や生殖器など10種類の)感覚器官が馬たちである。これら感 覚器官が追い求めるのが、馬が走る道というものである」
潜在意識とトラウマについて
ヨーガ・スートラ第2章29節
ヨーガ・スートラには8段階からなるヨーガの修行が紹介されています。
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ヤマ(禁止事項/対人次元の自己意識化)
1.暴力(ご迷惑) 2.嘘 3.盗み 4.性欲 5.物欲
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ニヤマ(お勧め事項/対物次元自己意識化)
1.清浄 2.知足 3.苦行 4.聖典読謂 5.神様への帰依
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アーサナ(ヨーガの体操/肉体次元の自己意識化)
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プラーナーヤーマ(呼吸法/呼吸次元の自己意識化)
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プラティヤハーラ(制感/意思鞘次元の自己意識化)
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ダーラナ(精神集中法/意思鞘次元の自己意識化)
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ディヤーナ(禅那/静盧/理智鞘次元の自己意識化)
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サマーディー(三昧/歓喜鞘次元の自己の意識化)
一般的に行なわれているヨーガの体操や呼吸法は、ヨーガ修行の3段階、4段階にあたります。
禁止事項やお勧め事項は、日常生活において実践するヨーガ修行です。 感情や行動の自己制御力を身につけることで、心が平穏に保たれることに気づいていきます。
ヨーガ療法実習で期待できる効果
- 筋肉を強化してリラックスさせてくれる。
- 呼吸を整え、感情が安定する。心が落ち着く。
- 意思力が強化され、創造性が高められる。
- 知力が向上し、無執着が実現される。
- 幸福の質的向上と情動の不動性が実現する。
- 内なる神性を日常生活で発揮できるようになる。
- 上記によりストレスの軽減がみられ、日常生活に活力が戻る。
2016年7月 ヒマラヤ ラージャ・ヨーガ修行記
2016年夏にはYogaの師匠である木村慧心先生とともに、インドのヒマラヤ、マナリでラージャ・ヨーガ修行をすることができました。
酸素の薄い標高4000メートルでのアーサナと呼吸法、瞑想。生きるのに過酷な状況の中でヨーガを行じたことが、大きな自信になりました。
聖名拝受式にも参加し、より一層ヨーガ修行に励むための決意ができました。
一緒に参加した同期や先輩方にも助けられ、とても良い修行の旅になりました。
ヒマラヤ山脈の麓でヨーガとともに過ごした経験は、その後の人生において事あるごとに思い出され、生きる糧になっているなとコロナ禍を経て感じているところです。
ありがとうございます。